まずはタイトル通り、Benjamin McEvoyさんのBookTube「The 50 greatest books of all time-reaction」(アルゴリズムが抽出した名作50作品)をご堪能あれ。
ランキングの後に自身の読書体験を書いていますので、よろしければ最後までご覧ください
世界名作ランキング
ベスト50〜41
50.
真夜中の子供達、サルマン・ラシュディ
The Midnight Children’s by Salman Rushdie
49.
若き芸術家の肖像、ジェイムズ・ジョイス
A Portrait of the Artist as a Young Man by James Joyce
48.
魔の山、トーマス・マン
The Magic Mountain by Thomas Mann
47.
草の葉、ウォルト・ホイットマン
Leaves of Glass by Walt Whitman
46.
トリストラム・シャンディ、ローレンス・スターン
Tristram Shandy by Laurence Sterne
*上中下あり
45.
デイヴィッド・コパフィールド、チャールズ・ディケンズ
David Copperfield by Charles Dickens
44.
日はまた昇る、ヘミングウェイ
The Sun also Rises by Ernest Hemingway
43.
伝奇集、ホルへ・ルイス・ボルヘス
Collected Fiction by Jorge Luis Borges
42.
アエネーイス、ウェルギリウス
The Aeneid by Virgil
41.
ジェーン・エア、シャーロット・ブロンテ
Jane Eyre by Charlotte Brontë
*上下あり
ベスト40〜31
40.
異邦人、カミュ
The Stranger by Albert Camus
39.
チェーホフ全集、アントン・チェーホフ
The Stories of Anton Chekhov by Anton Chekhov
38.
ダロウェイ夫人、ヴァージニア・ウルフ
Mrs. Dalloway by Virginia Woolf
37.
ビラブド、トニ・モリスン
Beloved by Toni Morrison
36.
ガリバー旅行記、ジョナサン・スウィフト
Gulliver’s Travels by Jonathan Swift
35.
ミドルマーチ、ジョージ・エリオット
Middlemarch by George Eliot
34.
赤と黒、スタンダール
The Red and the Black by Stendhal
33.
審判、カミュ
The Trial by Franz Kafka
32.
アラバマ物語、ハーパー・リー
To Kill a Mockingbird by Harper Lee
31.
見えない人間、ラルフ・エリソン
Invisible Man by Ralph Ellison
ベスト30〜21
30.
アブサロム、アブサロム!、ウィリアム・フォークナー
Absalom Absalom ! by William Faulkner
29.
怒りの葡萄、ジョン・スタインベック
The Grapes of Wrath by John Steinbeck
28.
千夜一夜物語、イスラム世界の説話集
One Thousand and One Nights
27.
大いなる遺産、チャールズ・ディケンズ
Great Expectations by Charles Dickens
26.
1984、ジョージ・オーウェル
Nineteen Eighty Four by George Orwell
25.
響と怒り、ウィリアム・フォークナー
The Sound and the Fury by William Faulkner
24.
闇の奥、ジョセフ・コンラッド
Heart of Darkness by Josepf Conrad
23.
キャッチ22、ジョセフ・ヘラー
Catch 22 by Joseph heller
22.
灯台へ、ヴァージニア・ウルフ
To the Lighthouse Virginia Woolf
21.
イリアス、ホメロス
The Iliad by Homer
ベスト20〜11
20.
不思議の国のアリス、ルイス・キャロル
Alice’s Adventures in Wonderland by Lewis Carroll
19.
アンナカレーニナ、トルストイ
Anna Karenina by Leo Tolstoy
18.
ハックルベリー・フィンの冒険、マーク・トウェイン
The Adventure of Huckleberry Finn by Mark Twain
17.
高慢と偏見、ジェーン・オースティン
Pride and Prejudice by Jane Austen
*上下あり
16.
ライ麦畑で捕まえて、J.D.サリンジャー
The Catcher in the Rye by J.D. Salinger
15.
嵐が丘、エミリー・ブロンテ
Wuthering Heights by Emily Brontë
14.
罪と罰、ドストエフスキー
Crime and Punishment by Fyodor Dostoyevsky
13.
カラマーゾフの兄弟、ドストエフスキー
The Brothers Karamazov by Fyodor Dostoyevsky
*上中下あり
12.
ロリータ、ウラジミール・ナボコフ
Lolita by Vladimir Nabokov
11.
神曲、ダンテ
The Divine Comedy by Dante Alighieri
ベスト10
10.
ボヴァリー夫人、ギュスターブ・フローベル
Madame Bovary by Gustave Flaubert
9.
オデュッセイア、ホメロス
The Odyssey by Homer
8.
ハムレット、シェイクスピア
Hamlet by William Shakespeare
7.
戦争と平和、トルストイ
War and Peace by Leo Tolstoy
6.
白鯨、メルヴィル
Moby Dick by Herman Melville
5.
グレート・ギャッツビー、スコット・フィッツ・ジェラルド
The Great Gatsby by F. Scott Fitzgerald
4.
百年の孤独、ガブリエル・ガルシア=マルケス
One Hundred Years of Solitude by Gabriel Garcia Marquez
3.
ドン・キホーテ、ミゲル・デ・セルバンテス
Don Quixote by Miguel de Cervantes
2.
ユリシーズ、ジェイムズ・ジョイス
Ulysses by James Joyce
1.👑
失われた時を求めて、マルセル・プルースト
In Search of Lost Time by Marcel Proust
読書チャレンジ<岩波文庫100冊チャレンジ>
2022年11月から開始した岩波文庫100冊チャレンジは、2024年5月に無事完走。総評や各本の感想はnoteにまとめているので、詳しくはこちらをご参照頂ければと思う。
最初の内こそ手当たり次第に本を選んでいたが、今回紹介した良書ベスト50に出会ってからはこのリストを参考に選ぶようになった。良い本のリストは世の中にいくらでも出回っているが、100冊リストアップされていても、ランキングが付きのリストは少ないのではないだろうか。
なぜと言って、長年に渡り世界各国あらゆる人に親しまれる古典はどれも素晴らしく、なかなかランキングにする事は難しい。だがそこはアルゴリズムの力。動画では詳細までは明かされていないが、何らかの統計ツールを使い、ランキングとして集計することは可能だろう。
人が好みでつけるランキングではなく、あくまでコンピュータが弾き出した冷徹な数字だからこそ、良書にランキングが付いているのだと思う。だからこそ、ランキングを鵜呑みにして1〜10位がその人にとって最高の本になるかどうか、はやはりその人次第。
だが自分は、このBookTubeに出会って本当に良かったと思っている。古典はどれも期待を裏切らないし、小説で言う所の「面白さ」という尺度だけでは測れない良さもある。その本以降に新しい流派が誕生したとか、新しい表現技法を用いたとか、最大の疑問を投げかけた、とか。
従って、現代の私たちが読んだ時に時代が違うな、と思う感覚は少なからずある本もある。でもそれでいいじゃないか。古典を読めばその歴史に触れられるのだから。
ではこのリストをローラー作戦(端から順番に読んでいく)したのかと問われれば、そうでもない。単純に興味が湧いた本、読んだことのない作家、あまり長くない作品に的を絞ってチャレンジしたからだ(詳細はnote)。100冊チャレンジは終わったが、引き続き上の方のランキングから順に読み進められたら良いなと思っている。それだけ古典の素晴らしさを実感できたチャレンジだった。
最後に、ここまで読んで下さった方にどうしても言いたい事がある。
ランキング1位の「失われた時を求めて」(プルースト)は、自身の総評「本当に読んで良かった本ベスト5」にも入れているが、簡単に人におすすめはできない。とてつもなく長い物語りであるとともに、割と癖のある、とてつもなく長い文章が特徴だから。
以前に記事にしているので、読むか読まないか(to read or not to read)は、こちらを参考にして頂ければと思う。1位だから万人に良いというのではなく、長い長い物語を読み終えた人こそが、上位に選ぶ作品であるように思う。
自身が岩波文庫100冊チャレンジを通して良かった最大の点は目標の原動力であった。常に順風満帆に読書が進んだかと言えば、決してそうではない。停滞した時期もあった。大きな目標があったからこそ、続けている間にいつの間にか目標に近づき、その達成感がさらに目標に向かわせるものだと実感した。
だから、長い長い「失われた時を求めて」は、何かしらの読書チャレンジと紐付けて読まれる事を真に皆さんにおすすめしたい。