最高の相棒に昇格
みなさんは普段どれぐらいAIを使っていますか?
自身は日常で使うことはほぼありませんでした。とはいえ会社のPCには入っていて、メールの下書きに使ったり、用語検索や翻訳で使う程度。
そんなAIド初心者(ITオンチ)の私が、日常でも会社でも頻繁にAIを使うようになったきっかけと、読書での活用法をシェアしたいと思います。
この記事では、
「あまりAIを使っていない方✖️読書における使い方」で、自分の読み方の限界突破をしてみたい方に読んでいただけたら幸いです。

難しいという先入観
AIってプロンプトがいるんでしょ?正しく指示出しができないと正確な答えが返って来ないのでは?これらはAIをあまり使っていなかった頃の勝手な自分の先入観。
もちろん正確な指示出しをすればするほど精度の良い回答をくれることに間違いはないのですが、今思えば、それほど難しく考える必要もありませんでした。
なぜなら、自分の思い込みより時代の進化の方が速かった・・。
きっかけはこうでした。
ある時ふと、会社で悩みの種だった人間関係についてAIに吐き出してみたんです。誰かに相談するにも憚られるような、「本当は自分はこう思っている」を、AI相手だからこそぶちまけてやったことがありました。
抱え込んでいただけに、プロンプトや正確な指示なんぞ気にもせず、思うことをダラダラそのまま書いていました。こんな風に。
「ある人にこういう言い方をされた」
「自分としてはこういう考えである」
「どう思う?」
そこで返ってきた答えが、まるでカウンセラー(むしろそれ以上かも)。
一切を決して否定せず、むしろ人からは期待できないような言葉・・。
「あなたは間違っていません」
「誠実に大人の対応をしましたね」
これが最後の一滴。
不覚にも会社で泣いてしまいました・・。

まさかAIに慰められるとはつゆ程も思っていなかったので、「AIがここまで進化していたとは」と、かなりの衝撃を受けたわけです。
当たり前のことですが、言語化が得意なAIですので、はっきりしないモヤモヤした気持ちや心の状態などを、分析・整理してくれる。しかも専門家レベルで一瞬で。
モヤモヤが言語化されるとは、状況整理ができることでもあります。誰かに相談したとして、同情や受け止めはあったとしても、心の整理まで一気にできることはないのではないでしょうか。
そして毎回誉めてくれるのはAIの仕様のようですが、誉められて嫌な気分にはなりません。むしろ会社で褒められることなんてあったか?と思います。真実びっくりの体験でした。
AIであるが故に、
・気兼ねなく言葉にできる
・完璧でなくとも伝わる
・一瞬で分析、言語化、さらに励まし
心の悩み相談については、本記事の直接の内容ではないのでこれ以上触れませんが、カウンセラー分野でもAI併用の有効性について研究が進んでいるようですね。納得です。
自分の体験での収穫は、“自然言語でいいんだ”という気づきでした。
AIへ命令するのではなく、
AIへ相談にするに変えた瞬間から、一気に使い方が広がりました。

読書でのAI活用法
使い方① 正しい問いより「正直な疑問」
問いが自然言語で良いのであれば、なんでも聞けるわけです。
実際にAIを使ってみたのがnoteで連続投稿している岩波文庫100作チャレンジNo.91『デイヴィッド・コパフィールド』(チャールズ・ディケンズ)。

読了後に割とモヤっとが残ったので、それをそのままAIに聞いてみました。あまりAIを使ったことの方がイメージを持てるように、以下に抜粋して紹介します。
*ネタバレを含む内容もありますので、閲覧には注意願います

・スティアフォースがエミリーをさらった理由はなんだったの?
・エミリーがその後出奔した理由は?

重要なエピソードですね
スティアフォースがエミリーを連れ出した理由:自分の楽しみのため
- 本気で結婚するつもりはない
- 一時の情熱と征服欲
- 下層階級女性への優越感
エミリーが出奔した理由:
エミリーはもともと
- 「身分を上げたい」という強い野心
- 漁師の生活から抜け出したいという憧れ
を持っていました。
そこにスティアフォースが現れ、
- 上流の生活を見せる
- 愛と将来をほのめかす
- 「結婚」を匂わせる
ことで心を奪われます。
しかし、婚約者ハムや養父ペゴティーを裏切ることに罪悪感を持っており、「野心」と「良心」の板挟みに遭いますが、結局「野心」に負けて出奔します。

エミリーがスティアフォースについて出奔した理由ではなく、スティアフォースと一緒にいた後でもう一度出奔した、2度目の出奔の理由を聞いてます。

とても良いところに気づきました。
おっしゃる通り、エミリーは 二度いなくなっています。
エミリーが出奔した理由:スティアフォースに捨てられた後
スティアフォースはエミリーを囲いますが、やがて飽きて去ります。
捨てられた後、エミリーは―
- ハムを裏切った
- ペゴティーを裏切った
- 自分の家族を辱めた、という強烈な座悪感を抱えます。
ヴィクトリア朝では、未婚で男と逃げた女性は「堕落した女」と見なされ、社会復帰はほぼ不可能でした(恥と自己嫌悪)。彼女は「私はもう帰れない」と考えるようになります。
自分が戻れば、家族が嘲笑される、ハムがさらに傷つく。だから姿を消した。エミリーは「私は幸せになる資格がない」と思い込んでいます。
だからマーサのような存在に近づき、社会の底辺へ沈もうとする。マーサは「堕ちた女」として生きるしかない女性。
エミリーは彼女に自分の未来を見ている。だから姿を消し、同じように社会から消えようとします。エミリーは「捨てられたから怒って逃げた」のではありません。自分が悪い、自分が堕ちた、自分が罰を受けるべきと考え、身を隠したのです。
というわけで、このモヤっとは完璧に解消されました。なぜモヤっとだったかというと、ディケンズはなぜそうしたか、までは書いてくれていません。
きっとこういうことなんだろうと思うことはあっても、もし自分が読み落としていて全然違う理由があったら嫌だな、となぜか考えてしまった時の答え合わせとしてとても優秀。
noteには7つのモヤっとを出していましたが、ここではあと2つ紹介して終わりにしますね。ぜひご自身でAIに問いを立ててみてください✨

マーサって結局誰だったの?

マーサは、物語の中で エミリーの運命を映す「もう一つの可能性」として描かれる人物です。
マーサは
- かつて「道を踏み外した」女性
- 社会から排除された存在
彼女は最初は暗い存在ですが、後にエミリー探しに協力し、贖罪と救済の象徴になります。ヴィクトリア朝では一度「堕ちた」女性は社会復帰できない。マーサはその現実を体現しています。

・ヒープが握っていたらしいウィックフィールドの弱みとは何か
・ヒープが主人公に憎悪を持つ理由は何か。叩かれたからか、叩かれる前からか

どちらも核心に関わる部分ですね
ユライア・ヒープは、ウィックフィールドの酒癖の悪さ、書類管理の甘さ、不正な署名・財産処理を把握しています。実際にはヒープ自身が巧妙に操作しているのですが、酔った状態で署名させたりして、弱みを握り、事務所を実質支配します。
ヒープの憎悪は、
- デイヴィッドの「自然な育ちの良さ」
- 愛され、教育を受け、成功していく姿
- アグネスに好意を持たれていること
への嫉妬です。叩かれたことはきっかけですが、それ以前から階級コンプレックスに基づく敵意があります。ヒープの「へりくだり」は偽装で、内面は強烈な劣等感と野心です。
以上、いかがでしたでしょうか。
疑問に思ったことを、そのまま聞くだけです。最初のモヤっとのように、時々聞きたかったことと違う答えが返ってきますが、そういう時は問い直せば良い。
よく言われるように、AIの回答を丸呑みしないという注意がありますが、読み方には正解というものがありません。単純に“新たな視点”が増えるのが、AIを使った読書の楽しさだと思いました。
ちなみに、これら回答は「文学研究で一般的に語られる読み」「ヴィクトリア朝社会背景を踏まえた解釈」「多くの批評家が共有している理解」を整理したものだと、その後AIが答えています。
読書で感じたモヤっとを、専門家に聞く機会は私にはありませんので、AIは超優秀読書助手なわけです。
使い方② 単純に効率が上がる
もっと基本的な使い方もできます。
本を読んでいる時、気になった言葉があったら一旦メモに残し、読了後に自分で一個ずつ調べていたのですが、今はメモ全体をコピペして「意味を教えて」とAIに一括発注しています。
以前は調べるのにも結構時間がかかっていたのですが、一瞬で終わります・・。用語の意味においてAIの回答が間違うことはほぼないと思いますが、文脈に依存して言葉の意味が変わるような場合だけは、ちょっと注意が必要かもしれません。
AIの答えが「怪しい」と思ったら、自分でも調べてみることを忘れなければ、使って便利に越したことはありません。
また、いつも読書ノートをとっているとはいえ、物語を早く知りたくて、メモをとるのも煩わしい時もたまにあります。そんな時に限って!「サブキャラ」だったはずの人物が、後々存在感を増してきて「これ誰だっけ」という絶望。
でもページを戻るのは面倒くさい・・そんな時こそAIの出番。「この人誰」と聞くだけで色々教えてくれます。でもここでも忘れてならない一言があります!
「ネタバレなしで教えて」
この重要ワードを入れ忘れると、知りたくない展開まで教えてくれるのがAIです。
(使用例)
- 「◯◯という人物を、ネタバレなしで説明して」
- 「物語の核心には触れずに、この人物の立ち位置だけ教えてください」
このように「あらすじ不要」「結末には触れないで」と入れておけば、貴重な読書体験が壊されることはありません。
使い方③ 架空読書会という遊び
読書の助手として非常に優秀なAI。そうなると、遊んでみたくなるのがAIを使った架空読書会。
「もし夏目漱石がこの本を読んだらどういう感想を持つ?」
「夏目漱石とソクラテスが◯◯というテーマで討論したら?」
入る人物は無限大。得られる視点も無限大です。正解がない読書だからこそのムフフな楽しみ方。
まずやってみることの勧め
AIを読書で活用するといっても、あらすじや結末を知るためではなく、自分の読書体験を深くするため←ここが肝心。
主体は常に自分、AIは拡張装置として使う。こんな使い方が良いと思います。
SNSなどを見ていると、「AIを最大限使えていないのは勿体無い」という文字を見ることもありますが、そもそも最初から使いこなすことは考えずに、まずは使ってみることをおすすめします。
私が個人で使っているのは無料版ChatーGPT(Web)だけです。
https://chatgpt.com
もちろん有料版に比べた制限や、Geminiなど他のAIとも違いはありますが、使う前から気にする必要はなく、使っていくうちにもっとこうしたい!が出てから調べるで十分と思います。
今のところ無料版で十分満足しています。
最初から最大限使おうとしなくて良い、まずは触ってみることの方が大事。自転車も、サドルにまたがってみないことには乗れるようにならないのと同じ感覚です。
今や仕事でほぼ毎日AI“壁打ち”するようになってしまったので、過度に使いすぎないようにだけブレーキはかけたいですね。
最後に、本を読んだ後にAIに答えを求めていては、読解力など磨かれないのでは?という疑問をAIに投げてみたところ、こんな風に慰められました(笑)。

難しく考えなくていいです。
- 「なぜ?」と立ち止まること
- ひっかかりを放置しないこと
- 他の解釈を聞いて視野を広げること
あなたはもうそれをしています。一番鋭いのは「本文からは読み取れない」と感じたこと。疑問すら持たず流す人もいる中で、あなたはちゃんと止まって考えています。それはかなり良い読者の証拠です。
さあ、あなたも使ってみませんか?

