子供から大人、世界各国の名著100選

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誰かの100選を見ることほど貴重で面白い事はない。前にも書いたが、100冊選び出すにはとんでもない読書量が必要だからだ。

今回見つけたのは、Channel A to Zより「死ぬまでに読みたい100冊の旅」(Ultimate Literary Journey: 100 Must-Read Books Before You Die 📚🌟)

世界各国の作品を少しずつ選んでおり、わずかに日本作も入っている。先に紹介してしまえば「源氏物語」川端康成「山の音」

ん?

川端康成といえば「雪国」の方が有名ではないのかしらん?「山の音」なんて作品あったかしらん。

と思った方はnoteに読了感想を載せているので、宜しければご参考にどうぞ。

醜悪さえも美しく、川端康成【山の音】岩波文庫チャレンジ88/100冊目|Y.I
太宰の後に川端康成を読む・・皮肉?(いえ、偶然です)。 川端康成と言えば、日本人で初めてノーベル文学賞を受賞した大人物。2人目は大江健三郎。カズオ・イシグロは英国籍のため、日本人受賞者はこの2人のみ。 1901年が第1回のノーベル文学賞は、...

作品内容についてはnoteに書いたので、ここでは「源氏物語」と「山の音」の共通点に注目したい。この2つには翻訳者サイデンステッカーという共通点がある。

アメリカ人学者で、「源氏物語」や「雪国」「伊豆の踊り子」など数々の川端作品を英語に翻訳している。川端康成が世界に認められたのも、彼の翻訳によるところが大きいとも言える。

たまたま目に留まったのか、それだけ川端作品に魅力があったのか、それは分からない。川端作品の翻訳数が多い事から、お気に入りの作家であった事は伺える。

川端康成のノーベル文学賞受賞スピーチが本になっているが、これを英訳したのもサイデンステッカー。

スピーチは、日本古来の美を紹介する内容。日本人の自然を思う素朴な心。茶道や華道、侘び寂びなど。日本語と英語の両方で楽しめる。

例えば、本書で
・日本美術の特質の一つ「雪月花の時、最も友を思うふ」
・美の感動が人なつかしい思ひやりを誘い出す(喜びを共にしたいと思う)
・日本においては山川草木、森羅万象、自然の全て、美を表す言葉とするのが伝統

という話の中で、一つに道元禅師の歌をひいている。

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて冷しかりけり

これの英訳。
In the spring, cherry blossoms, in the summer the cuckoo. In autumn the moon , and in winter the snow, clear, cold.

比較してみると面白いが、母国語にはなるほど強烈なパワーを感じる。

サイデンステッカーは、「日本文学を海外に紹介してくれた人」ではあるが、元々は大戦で日本軍の書類の解読や翻訳に従事した人であり、占領政策にも関わっている。

アメリカに帰った後も日本語研究を続け、再来日後には東京大学で5年間日本文学の勉強もしている。翻訳活動はその後の話。

アメリカと対戦していなければ、川端康成もノーベル賞を取っていなかったかもしれない・・とはもしもの話。

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知らない作品に出会うチャンス

100冊リストに話を戻そう。

後半で作品をリスト化しているので、詳しくはそちらを確認頂ければと思うが、川端康成なら「雪国」、ではなく「山の音」。数々の名著が挙がる一方で、必ずしも代表作を挙げていない所も見所の一部かもしれない。

おかげで自分は「山の音」に出会えた。

また、児童書も多く含むのが特徴。まさに、幼少期、青年期、大人まで、人が一生を過ごす内に出会うと良い作品を挙げてくれている。グリムやイソップ童話は、大人になって読むと新たな発見があるし、「ガリヴァー旅行記」は再読して良かったと思う本の1冊。これは児童書ではない。

児童文学の誤解、本当は恐ろしい【ガリヴァー旅行記】岩波文庫チャレンジ84/100冊目|Y.I
全く子供向けでない事を初めて知った、岩波文庫「ガリヴァー旅行記」。 「本当は怖ろしいグリム童話」が流行ったように、「本当は恐ろしいガリヴァー旅行記」があってもおかしくなさそう。やや違うのは、政治的なブラックジョークが主題のため、“ただ怖い“...

感性は人それぞれであり、人それぞれの感性を覗き見するのがBookTubeを見る醍醐味。従って必ずしも万人にとって面白いという訳でもない。だがここで挙がっているのは主に古典、世界の名著であり、一生に一度は読んでおきたいリストとなっている。

読書でおすすめの作品は?と聞かれた時、その人がどの読書ステージに立っているかでだいぶ変わる。年齢しかり、経験しかり、読書日数しかり、理解度しかり、感性しかり。

このあたりの複雑さを「幅広い年齢層と今でも読み継がれる名著」という点で網羅したようなリストだ。うまくピックアップされている。

あえて足すとすれば、日本人作家にも素晴らしい作品がたくさんある事。残念ながら世界に知られていないだけ、という事も往々にしてある。まあ、日本人が日本人向けに選書した本は、本屋でいくらでも見つかるので、ここでは一旦、日本作は脇へ置き、海外作品を重点に見て頂きたい。

名著100選

さぁここからはリストを振り返りましょう。
読んだ作品は何作ありますか?

1
1984、ジョージ・オーウェル
1984 by George Orwell

2
ハックルベリー・フィンの冒険、マーク・トウェイン
Adventures of Huckleberry Finn by Mark Twain

3
シャーロック・ホームズの冒険、コナン・ドイル
The Adventures of Sherlock Holmes by Arthur Conan Doyle

4
アルケミスト、パウロ・コエーリョ
The Alchemist by Paulo Coelho

5
エル・アレフ、ホルへ・ルイス・ボルヘス
The Aleph and Other Stories by Jorge Luis Borges

6
動物農場、ジョージ・オーウェル
Animal Farm by George Orwell

7
イソップ寓話
Aesop’s Fables by Aesop

8
不思議の国のアリス、ルイス・キャロル
Alice’s Adventures in Wonderland by Lewis Carroll

9
アンナ・カレーニナ、レオ・トルストイ
Anna Karenina by Leo Tolstoy

10
赤毛のアン、モンゴメリ
Anne of Green Gables by L.M.Montgomery

11
死の床に横たわりて、ウィリアム・フォークナー
As I lay Dying by Willam Faulkner

12
ビラブド、トニ・モリスン
Beloved by Toni Morrison

13
本泥棒、マークース・ズーサック
The Book Thief by Markus Zusak

14
すばらしい新世界、オルダス・ハクスリー
Brave New World by Aldous Huxley

15
カラマーゾフの兄弟、ドストエフスキー
The Brothers Karamazov by Fyodor Dostoevsky

16
キャッチ=22、ジョセフ・ヘラー
Catch-22 by Josepf Heller

17
キャッチャー・イン・ザ・ライ(ライ麦畑でつかまえて)、J・D・サリンジャー
The Catcher in the Rye by J.D.Salinger

18
チャーリーとチョコレート工場、ロアルド・ダール
Charlie and the Chocolate Factory by Roald Dahl

19
シャーロットのおくりもの、E・B・ホワイト
Charlotte’s Web By E.B.White

20
野生の呼び声、ジャック・ロンドン
The Call of the Wild by Jack London

21
時計じかけのオレンジ、アンソニー・バージェス
A Clockwork Orange by Anthony Burgess

22
ウースター家の掟、P・G・ウッドハウス
The Code of the Woosters by P.G.Wodehouse

23
ポー傑作集、エドガー・アラン・ポー
The Collected of Edgar Allan Po by Edgar Allan Poe

24
カラー・パープル、アリス・ウォーカー
The Color Purple: A Novel by Alice Walker

25
コララインとボタンの魔女、ニール・ゲイマン
Coraline by Neil Gaiman

26
モンテ・クリスト伯、アレクサンドル・デュマ
The Count of Monte Cristo by Alexandre Dumas

27
罪と罰、ドストエフスキー
Crime and Punishment by Fyodor Dostoyevsky

28
夜中に犬に起こった奇妙な事件、マーク・ハッドン
The Curious Incident of the Dog in the Night-Time by Mark Haddon

29
アルテミオ・クルスの死、カルロス・フエンテス
The Death of Artemio Cruz by Calos Fuentes

30
狂人日記、魯迅
Diary of a Madman and Other Stories by Lu Xun

31
アンネの日記、アンネ・フランク
Anne Frank: The Diary of a Young Girl by Anne Frank

32
神曲、ダンテ
The Divine Comedy by Dante Alighieri

33
ドン・キホーテ、セルバンテス
Don Quixote by Miguel De Cervantes Saavedra

34
吸血鬼ドラキュラ、ブラム・ストーカー
Dracula by Bram Stoker

35
エマ、ジェーン・オースティン
Emma by Jane Austen

36
華氏451度、レイ・ブラッドベリ
Fahrenheit 451 by Ray Bradbury

37
フランケンシュタイン、メアリー・シェリー
Frankenstein by Mary Shelly 

38
ザ・ギバー:記憶を伝える者、ロイス・ローリー
The Giver by Lois Lowry

39
黄金の羅針盤、フィリップ・プルマン
The Golden Compass by Philip Pullman

40
おやすみなさいおつきさま、マーガレット・ワイズ・ブラウン
Goodnight Moon by Margaret Wise Brown

41
大いなる遺産、チャールズ・ディケンズ
Great Expectations by Charles Dickens

42
グレート・ギャッツビー、スコット・ジェラルド
The Great Gatsby by F. Scott Fitzgerald

43
グリム童話、グリム兄弟
Grimm’s Fairy Tales by Jacob and Wilhelm Grimm

44
ガリヴァー旅行記、ジョナサン・スウィフト
Gulliver’s Travels by Jonathan Swift

45
ハムレット、ウィリアム・シェイクスピア
Hamlet by Willam Shakespeare

46
侍女の物語、マーガレット・アトウッド
The Handmaid’s Tale by Margaret Atwood

47
ハリー・ポッター(シリーズ)、J・K・ローリング
Harry Potter by J.K.Rowling

48
闇の奥、ジョセフ・コンラッド
Heart of Darkness by Joseph Conrad

49
乾杯、神さま、エレナ・ポニアトウスカ
Here’s to You, Jesusa! by Elena Poniatowska

50
銀河ヒッチハイク・ガイド、ダグラス・アダムズ
The Hitchhiker’s Guide to the Galaxy by Douglas Adams

51
ホビット、J・R・R・トールキン
The Hobbit by J.R.R.Tolkien

52
穴、ルイス・サッカー
Holes by Louis Sachar

53
石蹴り遊び、フリオ・コルタサル
Hopscotch by Julio Cortazar

54
イリアス、ホメロス
The Iliad by Homer

55
見えない人間、ラルフ・エリソン
Invisible Man by Ralph Ellison

56
ジェーン・エア、シャーロット・ブロンテ
Jane Eyre by Charlotte Bronte

57
地底旅行、ジュール・ヴェルヌ
Journey to the Center of the Earth by Jules Verne

58
レ・ミゼラブル、ビクトール・ユゴー
Les Miserables by Victor Hugo

59
パイの物語、ヤン・マーテル
Life of Pi by Yann Martel

60
ライオンと魔女、C・S・ルイス
The Lion, The Witch and The Wardrobe by C.S.Lewis

61
星の王子さま、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
The Little Prince by Antoine De Saint-Exupery

62
若草物語、ルイーザ・メイ・オルコット
Little Women by Louisa May Alcott

63
ロリータ、ウラジミール・ナボコフ
Lolita by Vladimir Nabokov

64
指輪物語、J・R・R・トールキン
The Lord of the Rings by J.R.R.Tolkien

65
コレラの時代の愛、ガブリエル・ガルシア=マルケス
Love in the Time of Cholera by Gabriel Garcia Marquez

66
ボヴァリー夫人、ギュスターヴ・フローベール
Madame Bovary by Gustave Flaubert

67
変身、フランツ・カフカ
Metamorphosis by Franz Kafka

68
白鯨、ハーマン・メルヴィル
Moby-Dick by Herman Melville

69
ダロウェイ夫人、ヴァージニア・ウルフ
Mrs.Dalloway by Virginia Woolf

70
オリエント急行の殺人、アガサ・クリスティ
Murder on the Orient Express by Agatha Christie

71
二十日鼠と人間、ジョン・スタインベック
Of Mice and Men by John Steinbeck

72
老人と海、アーネスト・ヘミングウェイ
The Old Man and the Sea by Ernest Hemingway

73
オリヴァー・ツイスト、チャールズ・ディケンズ
Oliver Twist by Charles Dickens

74
百年の孤独、ガブリエル・ガルシア=マルケス
One Hundred Years of Solitude by Gabriel Garcia Marquez

75
千夜一夜物語
One Thousand and One Nights by Unknown

76
インドへの道、E・M・フォースター
A Passage to India by E.M.Forster

77
ペドロ・パラモ、フアン・ルルフォ
Pedro Paramo by Juan Rulfo

78
マイロのふしぎな冒険、ノートン・ジャスター
The Phantom Tollbooth by Norton Juster

79
長くつ下のピッピ、アストリッド・リンドグレーン
Pippi Longstocking by Astrid Lindgren

80
高慢と偏見、ジェーン・オースティン
Pride and Prejudice by Jane Austen

81
日の名残り、カズオ・イシグロ
The Remains of the Day by Kazuo Ishiguro

82
ロミオとジュリエット、ウィリアム・シェイクスピア
Romeo and Juliet by William Shakespeare

83
世にも不幸なできごと(シリーズ)、レモニー・スニケット
A Series of Unfortunate Events by Lemony Snicket

84
風の影、カルロス・ルイス・サフォン
The Shadow of the Wind by Carlos Ruiz Zafon

85
スローターハウス5、カート・ヴォネガット
Slaughterhouse-five by Kurt Vonnegut

86
山の音、川端康成
The Sound of the Mountain by Yasunari Kawabawa

87
異邦人、カミュ
The Stranger by Albert Camus

88
源氏物語、紫式部
The Tale of Genji by Murasaki Shikibu

89
崩れゆく絆、チヌア・アチェべ
Things Fall Apart by Chinua Achebe

90
三銃士、アレクサンドル・デュマ
The Three Musketeers by Alexandre Dumas

91
アラバマ物語、ハーパー・リー
To Kill a Mockingbird by Harper Lee

92
宝島、スティーヴンスン
Treasure Island by Robert Louis Stevenson

93
ユリシーズ、ジェイムズ・ジョイス
Ulysses by James Joyce

94
戦争と平和、レオ・トルストイ
War and Peace by Leo Tolstoy

95
ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち、リチャード・アダムス
Watership Down by Richard Adams

96
クマのプーさん、A・A・ミルン
Winnie-The-Pooh by A.A.Milne

97
白衣の女、ウィルキー・コリンズ
The Woman in White by Wilkie Collins

98
オズの魔法使い、ライマン・フランク・ボーム
The Wonderful Wizard of Oz by L. Frank Baum

99
五次元世界のぼうけん、マデレイン・レングル
A Wrinkle in Time by Madeleine L’engle

100
嵐が丘、エミリー・ブロンテ
Wuthering Heights by Emily Bronte 

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