大注目!YouTube登録者1億人超の太宰レビュー

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YouTubeの登録者数といえば自分の中ではHikakinさん。24.6月時点で1880万人!この間1000万人突破というニュースを見た気がしていましたが、いつの間にか激増(時が経つのは早いものです…)。

さすが日本一!と思っていましたが、調べてみるとHikakinさんの登録者数は日本では現在6位。1位は3000万人超の方。筆者は知らなかったので、ここには載せませんが上には上がいるのですねぇ。

この登録者数は日本での話。当たり前ですが、世界はもっとすごい。現在1位のMrBeast(ミスタービースト)チャンネルは2.89億人。ただこの順位は、インドの音楽番組と入れ替わり立ち替わりしているようですが。

登録者1億人超!PewDiePieチャンネル

ここで注目したいのは”PewDiePie”チャンネル(Wikipediaによると”ピューディパイ”)。現在の登録者は1.1億人、世界トップ10に入るチャンネルです。つい最近まで日本で暮らしていたそうですが、ご存知でしたか?

(こちらは日本での再生リストです。各投稿をご覧になりたい場合は、右上の1/25マークをクリック。字幕がご利用いただけます)

 こんなすごい方が日本に来ていたとはなんとも嬉しいではないですか!しかもプライベートジェット

このチャンネルを見つけてから時々投稿を見ているのですが、最初に見たのは2018年頃に公開されたBookTube。当時は定期的にBookReviewが投稿されていたようで、その中の一つ「This book will change your life! 🙌 BOOK REVIEW 🙌 – April」という動画でした。

480万再生(現在)もされたBookTube。4作品を紹介していますが、最後がなんと太宰治!動画内では他に村上春樹・三島由紀夫の名前も聞かれます。

動画で紹介されている4作品はこちら。

1. 未邦訳、ジョージ・コッククロフト(ルーク・ラインハートはペンネーム)
“The Dice Man” by Luke Rhinehart

主人公はマンネリを感じている精神科医。ある夜、彼は自分の行動を偶然に任せ、サイコロの目に従って人生を生きることを決意。サイコロを追ううちに、人生は予期せぬ方へ・・

2. ストーナー、ジョン・ウィリアムズ
“Stoner” by John Williams

文学に恋をしたウィリアム・ストーナーの人生を描く。さまざまな障害や失望に直面、人生の浮き沈みに耐えながら、文学への愛情を持ち続ける。

3. 罪と罰、ドストエフスキー
“Crime and Punishment” by Fyodor Dostoevsky

殺人を犯すことを正当化できると信じる青年ラスコーリニコフ。ロシアの文豪ドストエフスキーの世界的名著

4. 人間失格、太宰治
“No Longer Human” by Osamu Dazai
*動画では13:37あたり

登録者1億人超の太宰レビュー

人の前で本当の自分が見せられず、道化を演じる主人公大庭(おおば)について、日本人でも説明が難しそうな内面描写を試みてくれています。大好きと語る三島(後述)や太宰などの日本文学の美しさの一端には、礼儀正しさがあるのだろうと。

この小説はphenominal!(直訳すれば驚異的!)

描かれる主人公の多くが太宰の人生を反映している点についても説明、例えば小説の中で描かれる幼い頃の性的虐待、入水を図ったが自分だけ命拾い、アルコールと薬物依存など。

また、本作の中では主人公が「罪と罰」について考えるシーンが登場します。
・罪と罰は対義語か、罪の対義語は何か
・信頼は罪か

紹介本3冊目がドストエフスキーの「罪と罰」であったり、普通は気づかないような根底にある人間要素に切り込んでいたり、哲学的な問いを含む点もきっと魅力の一つなのでしょう(日本文学だって巨匠ロシアに負けてない!?と思う事にしておきましょう)。

彼だけではないでしょうか、いずれにしても登録者億超の方が日本文学に興味を持ってくれているのはなんとも嬉しいですね。

人間・太宰治

太宰治といえば誰しも学校で覚える名前。個人的な話をすれば、作品1冊を読み切ってもいないうちから「太宰=暗い」というイメージに取り憑かれていました。ちょうど最近読書チャレンジという枠で、改めて「人間失格」を読んでみたところです。

暗さのイメージは払拭され、苦手意識もなくなり、なんなら太宰治という人間に興味が持てました。学生時代から本に親しんだわけではなかったので、作品を知らない内から勝手に暗いと思い込んでいたようです。

改めて「人間失格」を読んでみれば、感じたのは暗さではなく「個の人間」「個の太宰治」「太宰が残した文学作品」。人間失格ではなく、人間・太宰治でした。

「恥の多い生涯を送ってきました」

有名なこの文は、厳密に言えば「人間失格」の書き出しではなく、本作を構成する「第一手記」の出だし。物語自体は第三者による「はしがき」からスタートします。

暗さのイメージは払拭されたものの、タイトルが表すように、作品は決して明るいものではありません。「はしがき・手記・あとがき」と構成されていますが、主人公の物語である手記とともに、「あとがき」になんとも言えぬ重さ、主人公が抱えた苦悩が濃縮されています。

本作が遺作になったため、自伝的小説と考えられる要素はあるものの、その真偽自体は不明のようです。知っていそうで実は知らない「人間失格」。アニメの影響もあってか、太宰は最近の若い人に人気が高いとか。

先入観のまま読んだことがない人、あるいは「人間失格」が作中どの場面で使われているか忘れてしまった人には、再読をお勧めします。

「ただ一切は過ぎていきます」

三島文学も好き

自身がPewDiePieに注目したのは太宰レビューだけではありません。三島由紀夫作品も大好き(言及は太陽と鉄“Sun and Steel”、春の雪“Spring Snow”、奔馬“Runaway Horses”)と話してくれており、次の動画では実際に「春の雪」と「奔馬」の感想をシェアしてくれています。

動画内で話されているように、三島作品は文学だけでなく三島の生涯にも興味を持ってくれています。自身が三島を好きな理由もそこ。三島の生涯についてご存知ない方は、以下の動画で紹介してくれていますので、ぜひご視聴になってみてください。

筆者自身は「金閣寺」に圧倒されてから三島由紀夫に興味を持ち、少しずつ作品を読み進めているところです。動画で紹介されている「春の雪」「奔馬」はまだ未読ですが、海外で翻訳されている作品は読んでおきたいと思う次第です。

最後に、最近(24.6月)投稿された動画は、三島作「太陽と鉄」を紹介しながらになっていますよ。

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