読んだ本を忘れない方法

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読んだ本を忘れてしまうというのは残念ながら多くの人が経験する事ではないでしょうか。途中まで読んでから、何だか読んだことがあるような・・と気づく事もしばしば。

「忘れる」こと自体は、情報処理のための脳の自然な機能であり、見知った事・経験を全て覚えているというのは、特異な状態です。生きていれば忘れておきたいこともあるでしょう。

一方で、何年も経ってから、ふと思い出すこともある様に、自分では忘れていると思っても、その事象自体は脳に存在しており、アクセスさえできれば、その記憶を引っ張り出す事ができるそうです。

電気信号としての情報は、脳の神経細胞接合部(シナプス)の発火を強くし、神経細胞同士のつながりを強化することで、記憶が保存されやすくなったり、取り出しやすくなったりします。

細胞の数はみな同じでも、シナプスの数は人によって異なり、強いシナプスを持つことが記憶の定着につながります。ではどうすれば強いシナプスを作れるのでしょうか。

1885年ヘルマン・エビングハウスによって提唱された有名な概念。忘却曲線とは、時間の経過とともに記憶が減衰する傾向を示すもの、その減衰パターンをグラフで示したものです。

(グラフ出典:https://heart-quake.com/article.php?p=9963

20分後には42%、1日後は66%を忘れてしまう事を表しています。

実験という特殊環境下で示されたデータのため、全ての物事に当てはまる訳ではありませんが、普遍的に正しいとされる事として、定期的な復習は記憶の定着に効果的であるという事です。

学習に利用したい場合は、アプリで「忘却曲線」と検索すれば、便利なアプリがたくさん出てきますね。

読んだ本を忘れないようにするにも、やはり復習はかかせません。どれだけ記憶に定着したか、はその作品の好き度にもよるでしょうから、個人差があるとして、1分で他人に説明できるか、というのはある程度記憶として定着したかどうかの尺度になるように思います。

もちろん1冊読んで、その1冊を誰かに説明することはできるでしょう。果たして10冊読んだ後、20冊読んだ後でも同じことができるでしょうか?

1分という枠も案外ミソで、あ〜う〜え〜なしに澱みなく本の内容を説明できるかどうか。澱みない説明をするには、本の内容を把握できている事と同時に記憶としても定着している必要があります。

20冊読み終えるまでには、ある程度日数が経っているはずですから、そこで1冊読み終わった後と同様の説明ができれば、記憶が取り出し安い状態になっていると言えるのではないでしょうか。

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今回紹介するBookTubeのように、実際に1分で1冊の内容を紹介することは、少しやってみるとよく分かるのですが、以外と難しいです。澱みなく喋るのはさらに難しい。

流れるように喋るには、相当記憶に定着した状態でないとできる事ではありません。

読んだ本の内容を覚えておきたいと思ったら、自分はアウトプット、誰かにはインプットしてあげる機会が最適です。相手が理解しやすいようにポイントだけを説明できる、というのは立派なスキルです。

これは1人でもできます。録音して聞けば良い。では人に聞いてもらう利点は何かと言えば、聞いてもらう人がいる事で、きっと何度もリハーサルする事でしょう。リハーサル=定着の鍵ですね。

人に話すことで、何かしらのリアクションを得られる事もメリットです。聞いた相手がよく分からなかったと言えば、自分もその内容を完璧に理解できていないのかもしれません。人に何かを説明する事は自分の理解も助けます。分かりやすかったと返ってこれば、続ける励みにもなります。

ただ、もう一度言いますが、やろうと思えば一人でもできます。

それが今回のBookTube。聞いている側としてはふんふんと聞くだけですが、これだけの事を自分がやろうと思うとかなり大変な訳です。ふんふんは凄いのです。

BookTube〜実はすごい!1分で解説するという事〜

Mark Mansonさん14 Amazing Books Summarized in One Minute (Or Less)、という動画から、1分以内で説明している実用書14冊を紹介します。

同じ本を読んだ事がある方は、1分で説明に是非チャレンジしてみてください。覚えていてこその実用書です!ちなみにこちらの動画は、説明し終わった後の豪快なアクションも楽しいので、時間が許せば(長さ17:00)、是非動画も見てみてくださいね(字幕が利用できます)。

*[ ]内は解説の1部

  • 身体はトラウマを記録する、ベッセル・ヴァン・デア・コーク
    The Body Keeps the Score by Bessel Van Der Kolk

トラウマ研究の第一人者(PTSD産みの親)が、トラウマの心理的影響、身体に与える影響だけでなく、実際に有効な治療、そうでない治療、なぜ効果があるのか、いつ効果が出るのか、を説く。

  • なぜ選ぶたびに後悔するのか、バリー・シュワルツ
    The Paradox of Choice by Barry Schwartz

選択肢が多いほど、我々は選んだ結果に満足しない。無限の選択肢に囲まれた現代で、いかに簡素化が重要なのか。

  • 人間の本性を考える、スティーブン・ピンカー
    The Blank Slate by Steven Pinker

ジョン・ロック哲学:人間は白紙の状態で生まれ、性格の良し悪しは全て環境による、という環境決定論を完全否定。性格の大部分は遺伝子で決まる、遺伝決定論を展開。

  • 100万人が癒された愛と結婚のカタチ、ハーヴィル・ヘンドリックス
    Getting the Love You Want by Harville Hendrix

なぜ人間関係はそうあるのか。幼少期に形成した愛の地図(あるいはメンタルマップ)に似た人と関係を結ぶ。

  • 死の拒絶、アーネスト・ベッカー
    The Denial of Death by Ernest Becker

生きる動機は死への恐怖から起こる。

  • 影響力の武器、ロバート・チャルディーニ
    Influence by Robert Cialdini

マーケティング・営業・広告に携わる人のマスト本。人はどのように説得され、購買行動を起こすのか。また、消費者側としてどのように操作されているのかも説く。

  • 複利で伸びる1つの習慣、ジェームズ・クリア
    Atomic Habits by James Clear

その他の習慣本と一線を画す良書。習慣は感情に結びついている。感情を先に変えることで、行動も変わる事を説明。そして小さな事の積み重ねこそが大きな変化をもたらす。

  • 人が自分をだます理由:自己欺瞞の進化心理学、ロビン、ハンソン・ケヴィン・シムラー
    The Elephant in the Brain by Robin Hanson, Kevin Simler

我々れは心の中では動物。基本的な衝動を抑えるために、自分自身を騙しながら理性を働かせている。

  • 人と人との関係にいのちを吹き込む法、マーシャル・B・ローゼンバーグ
    Nonviolent Communication by Marshall Rosenberg

この本を好きな理由は、永遠の愛の話ではない。誰かのせいで悪い気持ちなったと思うのではなく、誰かが何かした→自分が反応した→自分で悪い気持ちになった、のである。わずかだが重要な違い。

  • 傷つきやすいアメリカの大学生たち、ジョナサン・ハイト、グレッグ・ルキアノフ
    Coddling of the American Mind by Jonathan Haidt, Greg Lukianoff

どの世代も若い世代に文句をつける。が、それは子供のせいではなく、教育制度や子育てスタイルの変化、テクノロジーの変化さえもが、脆弱な子供にしている事を指摘。

  • 今いる場所で突き抜けろ、カル・ニューポート
    So Good They can’t Ignore You by Cal Newport

ある日雷が落ちて人生の目的が見つかる訳ではない。自分が情熱を注げるものを見つけるのではなく、何か自分が得意な事があるから、それが好きになり、上手になる。優越感を感じることができるものが情熱をもたらす。

  • サイコロジーオブマネー、モーガン・ハウゼル
    The Psychology of Money by Morgan Housel

世の中にありふれた、よくあるお金に関する思い込みは間違い。経済的に豊かになりたければ、たくさんお金を使うこと。と思っている人がいるが、実際はお金を使っても豊かになれるわけではない。

  • 未邦訳、デイヴィッド・ブルックス
    The Second Mountain: The Quest for a Moral Life by David Brooks

誰の人生にも登りたい山が2つある。最初の山は成功の山。成功の山の頂上に着くと、その後ろのもっと巨大な山=2番目の山がある事に気づく。2番目は目的の山。仕事や経済的に成功したと思っても、お金を稼ぐことの意味は?30代・40代におすすめの本。

  • 未邦訳、クリストファー・H・アーヘン、ラリー・バーテルス
    Democracy for Realists by Christopher H.Achen, Larry Bartels

学術的で憂鬱、民主主義の悪い一面を暴く。ある種の優れている人がトップにつく、これは良い点ばかりではないと教える、目からウロコ本。政治に対する見方が変わる。民主主義が悪いのではなく、民主主義を支持するなら、真剣に取り組む必要があると分からせてくれる。

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