みなさんは、読書スランプの経験はあるでしょうか?読書に限らずともスランプは恐ろしい…あんなに好きだった本、あんなに毎日ページをめくっていたのに突然本が読めなくなる。
自身は過去に2度あります。
1度目は新しい仕事に就いた時、2度目は自分にがっかりした時。
この記事が、同じような境遇の人やなかなか読書が進まない人への慰めや薬になれば幸いです。
読書は健康バロメーター
読書には、国語力が鍛えられる他に、気分が落ち着くとか幸福度が上がるといった効用が挙げられることがありますが、ある程度精神が健康でなければ読書する気も起こらない。
「読書してリラックスするのでなく、リラックスできているから読書ができる」そんな風に思います。
スランプ体験談
まずは自分が経験した2度のスランプ体験をシェアしたいと思います。
1度目は新しい職場での事。仕事が変わればストレスもある。やってみなければ分からない仕事内容。自分に合わないと思えばさらにストレスは増えていく。ですが「仕事とはそういうもの」、この辺りはとりあえず想定内ではありました。
想定外は、毎日大量の文字と格闘せねばならなかった事
文字を読むことは慣れているはずでしたが、いわゆる「お役所仕事」が辛すぎました。
・文字だけの100ページ近い資料に関係者全員が目を通す「作業」(箇条書きプリーズ)
・超長文メールの人(他にやる事ないのでしょうか)
・簡単に分かる内容を、簡単には分からない文章に変換する時間(・・・)
「時間がないので長文メールをお許しください」という気の利いた人もいましたが、自分の性格に合わないのか、とにかく人と仕事というより、文字と仕事している感覚が抜けずに、仕事内容が受け入れられませんでした。
あんなに本が好きだったのに
いつの間にか仕事以外で文字を見るのも嫌になっていました
目の疲れもあっただろう。
性格もあっただろう。
振り返れば2年も本を読まなくなっていました。
この状態は自分にとって普通じゃないと気づいてから、継続する選択肢を捨ててやめる選択肢を選びました。
仕事をやめたら「読みたい衝動」が突然やってきた!本を読みたいと思うことすらなくなっていたため、この瞬間は歓喜✨「また本が読める!」かなり嬉しかったのを覚えています。
楽しみの読書なら、読みたくない時に無理やり読む必要はないと思いました。読書からあんなに離れていても、好きならまた戻ってくる。忙しい時は本を開くのではなく、目を閉じれば良い。「魔女の宅急便」でもスランプから上手に抜け出していく姿が描かれていたのを思い出します。
2度目のスランプは、岩波文庫100冊チャレンジ中での事でした。「失われた時を求めて」第3巻を読み終えた後、それは突然やってきました(詳しくは以下note)。完結に言えば、あとがきを読んで自分が全然作品を読み込めていない事を自覚させられ、読む意義を見失ってしまったのでした。
「失われた時を求めて」は全14巻もあるのに、3巻で作品の醍醐味を拾いきれていないのであれば、続きを読む意味はないのではないだろうか…悔しいのと(自分に)腹が立つのとで、続きを読む気力がなくなってしまいました。
1度目のスランプと違ったのは、「失われた時を求めて」は読めなくなったけれど、読書チャレンジ以外の本はここぞとばかりに読めた事。2度目のスランプは、その作品は読むのが嫌になったけれど、本が嫌になった訳ではありませんでした。まるで飢えていたかのように、話題の本などを読み漁りました。
色々な本を読んで2ヶ月経ったある日、また「読んでみたい」と不思議と思うようになりました。今回も何かきっかけがあった訳ではないですが、「読みたい」は向こうからやってきました。
「見つめる鍋は煮えない」という言葉があるように、どうすればうまくいくのか考えたい時こそ、考えてはいけないのと似ています(詳しくは「思考の整理学」)。
アイディアは、考えている時は何もおりてこないけれど、他の事をしている時や何もしていない時にはふっとおりてくる。どうやらそういうもののようです。
読書の場合もアイディアが欲しい場合も、時間に余裕があることが大事と思います。なぜなら「それ」はいつ降りてくるか分からないから。
ひょっとしたらショーペンハウアー「読書について」も手伝ったかもしれません。読書チャレンジを古典(岩波文庫)に絞って実施していただけに、話題の現代文学だけでは飽き足らず、古典に戻りたい思いが促進されたのかもしれません。
その後「失われた時を求めて」は無事に全巻読破し、岩波文庫100冊チャレンジも終えた今では、本当に読んでよかった5作にランクインするほど思い出深い作品となっています。読めて良かった。
読書が進まない時の10+1のアドバイス
ここまで自身の経験談でしたが、スランプとまではいかなくとも、読書が進まない時におすすめのアドバイス10選プラスワンを紹介します。読書熱を燃やしたい時や読書を習慣にしたい方のご参考にどうぞ!
1. 目標を立てる
なんでも良いので目標を持つ。目標は大きな原動力となる!
(1年間や1ヶ月特定の冊数を読む、テーマや著者を決めて読み込むなど読書チャレンジはおすすめ)
2. 環境を変える
異なる部屋で、屋外で、いつもと違う環境で読んでみる!
(個人的なおすすめは電車移動中や病院の待ち時間)
3. 異なるジャンルを試す
新しいジャンルが、好奇心に着火、読書熱が再び燃え上がる!
4. 読書会に参加
グループに参加することが、やる気や刺激になりやすい!
5. 短い作品を読む
長い本が読みきれない時は、まず短い本、簡単な本から始めてみる!1冊読み終えることが達成感につながる(意外とおすすめはビジネス本。最近はサクッと読める本も多い)。
6. 読書を生活に組込む
ご飯を食べたら、寝る前は、隙間時間は、など普段の生活に組み合わせると読書が習慣になりやすい!
7. 気を散らす要因を制限する
デジダルデトックス!気が散る要因は最小限に抑えよう!
8. お気に入りの本を再読
9. オーディオブックを試す
通勤中、作業中の耳活として最適!
10. レビューやおすすめ、BookTubeなど
他の人のレビューやおすすめを読むことで、自分の興味を引く本が見つかる!
+1. 無理をしない
これ以上ないアドバイス。楽しくない時は無理に読まない、または別の本を読もう!
BookTube〜スランプを抜け出すのにおすすめの本〜
最後にA Clockwork Readerさん「12 great books that will get you out of a reading slump📚」(スランプを抜け出すのにおすすめの12冊)と題したBookTubeを紹介します。
全6ジャンルに分かれており、各ジャンル2冊ずつの紹介になっています。
<ファンタジー>
セルリアンブルー・海が見える家、T・J・クルーン
The House of the Cerulean Sea by T.J.Klune
未邦訳、アンナ・マリー・マクレモア
The Weight of Feathers by Anna-Marie McLemore
<本についての本>
風の影、カルロス・ルイス・サフォン
The Shadow of the Wind by Carlos Ruiz Zafon
地下図書館の海、エリン・モーゲンスターン
The Starless Sea by Erin Morgenstern
<ユニーク、オーディオ推薦>
デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃、テイラー・ジェンキンスリードDaisy Jones and The Six by Taylor Jenkins Reid
未邦訳、コートニー・サマーズ
Sadie by Courtney Summers
<詩>
未邦訳、サラ・ケイ
No Matter The Wreckage by Sarah Kay
詩人になりたいわたしX、エリザベス・アセヴェド
The Poet X by Elizabeth Acevedo
<漫画>
未邦訳、ジョニー・サン
Everyones’s a Aliebn When Ur a Aliebn Too by Jomny Sun
未邦訳
The Prince in and the Dressmaker by Jen Wang
<ノンフィクション>
ペルセポリス、マルジャン・サトラピ
Persepolis by Marjane Satrapi
*I:イランの少女マルジ、II:マルジ、故郷に帰る
イン・ザ・ドリームハウス、カルメン・マリア・マチャド
In the Dream House by Carmen Maria Machado
本動画の最初の言葉ですが、スランプの際の1番のアドバイスは「無理に読もうとしないこと」。嫌になったら一度離れるというのは、有効な手段かもしれませんね。
自然に読みたくなる時がきっとくる。